STAP細胞で新しい実験が行われたようです。
数日前に公開されたこちらの記事ですが、ドイツでSTAP細胞関連の論文が発表されたようです。
これが、小保方さんのSTAP論文に対して影響を与えるかどうかは未知数ではありますが、ここで書かれている事実こそが、日本がすでに技術としては遅れつつある国であることを示しています。
科学実験の再現性
理系の人間であればほとんど常識かもしれませんが、科学実験において完全な再現性を求めるのは非常に難しいものです。
STAP細胞のような高度なものは当然として、大学の学部生が行うような実験であっても、わずかな条件の違いで期待した結果が出ないことなんて、珍しいことではありません。実際に実験の単位のために期待した結果が出なくて放課後残って再実験をやることになったこともあります。
簡単に言えば、実験内容が高度になればなるほど、再現実験で再現を行うことが難しい、さらに言えば、期待した結果が出ない可能性が極めて高くなります。
この記事では、細胞の種類やpHが中心になって語られていますが、細かく言えば、実験の条件となる隠しパラメータとして、気温や湿度、気圧や重力、照度、また、ここで挙げられているようにシャーレの種類なども実験の結果に影響を与える可能性があります。
もちろん、実験は人が行うものですから、論文の中に隠しパラメータが含まれている場合もあるわけで、それらが論文作成時には所定の範囲内、検証時には所定の範囲外になることなども珍しくはありません。もちろん、何回も確認したとはいえ、人であれば漏れもありますし、ミスもあります。
これは、検証実験が正しく行われなかった可能性すらあるということです。
この件は終わったことではありますが
結果として小保方さんの主張が正しかったかどうかについては意味がありません。この記事では、その正しさを論じていないためです。
ただ、先ほどまでに述べたように、高度な実験ほど実験条件や再現性の特定が難しいことは珍しくないという事実がありながら、小保方さんを盲目的に叩いていた人があまりに多いことです。
マスゴミ、もといマスコミ関係者の大半は文系出身でしょうから、科学面では白痴でしょうが、それに安易に乗っかってしまった人も対して差はありません。
理系の基本としては、「あらゆる可能性を考慮する」というのがあり、これは理学、工学、医学の全てに共通していると思います。
にもかかわらず、思考停止してしまった人たちは、ある意味エセ理系と言ったところでしょう。そう言った人たちが支配的になっている以上、日本はもはや科学技術を拠り所とする技術立国とは言えません。
近年、隣の中国では、そう言った技術を積極的に取り入れる動きが多く見られます。実際に中国に行って、技術を役に立てようとしている方が自分の周りにも何人かいます。そういう動きを見ていると、日本は欧米露はおろか、中国にも追い抜かれるどころか大きく水をあけられている状況であることを正しく認識すべきです。
もっと考える習慣をつけるべき
ここ最近の企業のスキャンダルを見てもわかるように、日本の技術はもはや過去の栄光なだけです。もっとも、多くの国民は政府の情報鎖国によって、正しい情報を得られていない現実はありますが・・・。
現状の技術力で言えば、トップがロシアで、その後ろに欧米、日本はその後ろにかろうじて付いて行っていますが、その後ろから中国や北朝鮮が猛追してきているのを認識している人は多くはありません。下手したら、すでに追い抜かれている可能性もあります。
そう言った状況を打破するためには、日本も技術と根底にある考え方を見直す時期に来ています。今のように技術をおざなりにしてマネーゲームに明け暮れるような状況では、アメリカの衰退しつつある部分だけを切り取った国になるのは時間の問題です。
ここで技術を重要視することができなければ、日本は世界から取り残されるでしょう。そうなって慌てても、失われた時間を取り戻すのは不可能となります。今は、日本が技術立国として復権するかどうかの分水嶺の時期に来ています。