時事自考

時事ネタを中心に個人的な考察を上げていきます。

ブロックチェーンと仮想通貨

ブロックチェーンの過信は危険

仮想通貨(暗号通貨)の基盤としてブロックチェーンという技術がフューチャーされていますが、個人的にブロックチェーンは過信するのは危険であると考えています。

もちろん、セキュリティ的に高度なものであることは間違いありませんし、ビットコインのように堅牢なネットワークシステムを構築するというのも現実的ではあります。

しかし、特定の権力が伴う勢力が導入した場合、個人のお金を自由に奪い取られる危険性があることを念頭におく必要があります。

そもそも、こういった話をしようと思ったのは、こちらの記事を読んだからです。

kaleido11.blog.fc2.com

この記事を読んで、まず驚いたこととしてFintechとブロックチェーンを同じ、あるいは類似しているものとして理解している人が一定数いるということです。

この記事にも書いてありますが、Fintechとは金融とIT技術を組み合わせる技術ですが、ブロックチェーン、というかその上で動いている仮想通貨は金融そのものです。

PCに例えるならブロックチェーンがPCのハードウェア、仮想通貨がOS、Fintechはその上で動くアプリケーションと考えると判りやすいかもしれません。

ブロックチェーンの肝は暗号化

ブロックチェーンについては、いろいろな仕組みがあちこちで解説されているとは思いますが、その根幹にあるのは暗号化技術になります。

いわゆる公開鍵暗号方式という秘密鍵と公開鍵のペアを使った暗号化方式になります。

この記事を読む人には当たり前のことかとは思いますが、この方式は秘密鍵で暗号化したものは公開鍵でしか復号できず、逆に公開鍵で暗号化したものは秘密鍵でしか復号できません。

公開鍵は誰にでも見せて良い鍵ですが、秘密鍵は絶対に誰にも見せてはいけない鍵となります。

自分の持つ秘密鍵を使って暗号化したデータは基本的に誰でも見ることはできますが、それを改ざんすることはできなくなります。

一方で相手の公開鍵で暗号化したデータは、その相手しか見ることはできませんが、誰でも偽って送ることが可能になります。

ブロックチェーンの基本構造は貨幣を渡した履歴、受け取った履歴、承認した履歴の3つを暗号データとして共有し、ネットワーク内の各ノードに分散させる技術であると言えます。

渡す側Aさんの秘密鍵、受け取る側Bさんの秘密鍵、承認した第三者Cさんの秘密鍵をもって暗号化されたデータをセットで共有し、それぞれの公開鍵でノードが確認することができ、それによって取引の正当性が保証される、という仕組みです。

この前提として、それぞれの秘密鍵はそれぞれ本人のみしか知りえないということが重要になります。

秘密鍵をどうするかという部分に問題

秘密鍵の扱いは本来非常にデリケートなものです。

というのも、秘密鍵はそのPCで作成し、そのPCから外に出すことなく公開鍵を相手に渡すというのが当然だからです。

だからこそ、先の記事に書かれているように、どこかの誰かが暗号キーを発行するというのは最悪だと言えます。

もちろん、通信を暗号化していれば第三者に漏れる可能性はないでしょう。

しかしながら、それを発行している金融機関は秘密鍵を自由に使うことができるわけですし、そうでなくても発行者が自由に発行できる時点で価値をいくらでも薄めることができます。

仮に銀行が破綻したとすると、そう言った方法を組み合わせて通貨利用者からお金(の価値)を吸い上げるでしょう。

これは過去の銀行の破綻の経緯から見ても明らかですし、過去には大銀行が破綻した事例もあることを考えると、銀行が発行する仮想通貨ほど信用に乏しいものはないと考えます。

とはいえ、そこで書いているように仮想通貨に半強制的に移行するために、既存通貨を制限したり破綻させたりする可能性は十分あります。通貨を金に変えておいたほうが良いというのは、現物以外に逃げ道がなくなる可能性があるからです。

その現物についても公的な場所に保管しておくのは非常に危険で、こちらは戦前のように金などを回収しようとする可能性もありますので、自分の身近な場所に保管しておくほうが良いかもしれません。