時事自考

時事ネタを中心に個人的な考察を上げていきます。

断捨離は良くないと思う5つの理由

整理術として持て囃されている

断捨離はいわゆる整理術の一つで、身の回りを最小限にすることによってスッキリさせようというコンセプトになっています。捨てられないことを悪とすることで、余計な物を捨てさせ、自分の周りから物を減らしていく手法です。

もちろん効果は抜群で、当然ながら自分の部屋の中はスッキリします。しかし、個人的な意見で言えば、この風習は良くないものであると考えています。

ただし、ここで勘違いして欲しくないのは、私個人で言えばミニマリスト寄り(物を置かないようになる方がいい)の考えをしています。その上で、断捨離という考え方は好ましくないという風に感じています。

必要なら、その時に買えばいいという考えになりやすい

ミニマリストの考え方は、必要な物は必要になった時に買えばいいという考え方が根底にある場合が多いかなと思います。もちろん、そうでない人も多くいるのはわかってはいますが、断捨離が多くの人に受け入れられている状況も、これが背景にある場合が多いという認識です。

しかし、必要な時に買えばいいというのは、しばしば無駄な買い物になりがちです。というのも、必要な時というのは、どうしても、それを手に入れなければいけないと思い込んでいる場合がほとんどだからです。すなわち、本当に必要かどうかという検討がされないまま購入される可能性を持っていると考えます。

結果として、再び捨てられることになるわけですが、持ち続けるのを悪とすることで、そのサイクルを加速させることができます。この傾向は商品を作って売る側からすれば、大変に都合が良く、購入サイクルの長い商品の回転率を上げることができます。もし、断捨離を断行するのであれば、そう言った人たちに踊らされないような知恵が必要になると思います。

今あるもので、という工夫をしなくなる

断捨離という考えで最も相容れない考えではありますが、他の用途に使える工夫を試みることなく、一面的な用途のみを見て要不要を判断する考え方にあります。

別の見方をすれば、もっと使える場面があるにもかかわらず、それを怠って捨ててしまうという短絡的な考え方は好ましいことだとは考えていません。もちろん、壊れてしまった物を無為に取っておくというのは良いことではありませんが、それでも、何かしら用途を見つけようと考えた上で捨てるのと、条件反射的に捨てるのでは、結果が同じでも意味が変わってきます。

もちろん、先ほどと同様に商品を作る側からして見れば、工夫しない消費者の方が優秀な消費者なのは言うまでもありません。

物を占有するようになる

不要な物を捨てるということの裏返しとして、持ち続けるものは自分の物であるという意識が強くなります。例えば、書籍などは電子書籍にすることで、また、ゲームはソーシャル化することで、昔であれば本の貸し借り、ゲームであればソフトの貸し借りなどを行っていたものを、個人に帰属しやすくなります。

これは、例えば、あまり使われないものを持っている人が他の人が必要になった時に貸し借りすると言ったことをできなくする、という方向に持って行かせることができます。この貸し借りの良し悪しは置いておいて、こう言った状況を作ることにより、商品を販売して終わりのビジネスだけでなく、商品を時間で切り売りすることもビジネス化するようになりました。

もちろん、時間切り売りの場合、購入するよりも割高になる場合が多いわけですが、必要な時にのみ使うことによって、トータルの出費は抑えられます。

これも、商品を作る側からしてみれば、時間貸しの手数料分、多く儲けることができるようになりますし、何より、定期的にニーズを作り出すだけで、継続して収益を上げられるモデルになります。経営の立場から言っても、レンタルビジネスの方がいろんな意味で有利です。

物に対して執着を持ち続けるのを悪とする風潮になる

よく聞く話で、夫の大事にしていたものを妻が捨ててしまうとか、その逆の話がありますが、この典型例です。物に対して、愛着を持ち続けることを悪と断ずることで、サイクルを早くするという話は先ほどと同じですが、逆に買うものについては使用期間が短いにもかかわらず、より良いものを求める場合が多いということです。なので、購入サイクルが短くありながらも、購入単価は高いという現象になり、結果的に売る側からすれば、嬉しい状況になります。

何よりも、それが広まることにより、この例のように強制する事例が出てくる場合が多い、ということです。強制された人の場合、結局、後で捨てられたものを購入する場合が多く、また捨てられることを繰り返させることによって、お得意様であり続けさせられるということになります。

非常事態に弱くさせられる

物が不要ということの大部分の裏付けは、物がいつでも購入できるという前提に立っている場合が多いです。そのため、それが脅かされる事態になった場合、反動で購入過剰になる可能性が非常に高くなります。例えば食品や消耗品などは、災害時などは大きく不足しますが、購入できないというプレッシャーから、過剰に購入するようになり、さらに不足している状況を生み出してしまいます。

過剰に購入する人はパニックに弱いため、さらに不安を煽るような情報を与えることによって操作しやすくなりますし、そうでない人も、実際に手に入れられない状況に折れざるをえなくなります。

簡単に言えば、全員に等しく危機的状況を抱かせることができるわけで、こういう状況に持っていければ、簡単に人をコントロールすることができるようになってしまいます。先日のマイナンバーの話とも関係していますが、一見関係ないことのように見えて、連鎖的に動かすやり方もあるということは知っておいて損はないかなと思います。

と、色々書いてきましたが

整理術にはまって、身の回りをスッキリさせるのは良いことだとは思いますが、あくまで程々に、ということと、そう言った中に含まれる裏の意図を考えて、自分の身の丈にあった方法でやっていくのが良いのではないかと思います。

災害については定期的に危機感が煽られているので、そこまで酷いことにはならないとは思いますが、言葉やイメージが先行して、それに踊らされるようにならないように注意してもらえればなと思います。

※このブログ自体、読者がほとんどいないので、適当なことを言っているわけですが、意見や反論、ダメ出しは大歓迎です。